まさかまさかの展開になりました。
カリフォルニア州、サンフランシスコのオリンピッククラブ(レイクコース)で行われた(6月3日〜6月6日)2021年の『全米女子オープン』。
笹生優花(さそうゆうか)選手は、序盤に連続のダブルボギーで苦しい展開から後半盛り返し、73(パー71)。
畑岡奈紗選手は、68で回り、日本人同士のプレーオフとなりました。
最後までわからない
序盤、2番と3番で連続のダブルボギー。
この時点で、トップのレキシー・トンプソン選手とは5打差に開いてしまいました。
実は、この時わたしの中では、やはりメジャー大会での最終日最終組は、荷が重すぎたんだろうなあと勝手ながら諦めていたんです。しかし、徐々に盛り返し、終盤の16番、17番で連続バーディーを奪い、プレーオフに持ち込んだわけです。
のちの優勝インタビューで、キャディの励ましが力になったと語っています。
ゴルフって、個人対個人の競技ですが、キャディの存在が大きく、そしてそのキャディとの信頼関係が重要だと思っています。
対戦相手と直接対戦するのではなく、その間に自分の味方である、キャディがいるということは、心理的に助かる部分が非常に多いと感じています。今回の笹生選手もそうですよね。
それにしても、連続ダボからよく盛り返したと思います。この辺りは、ジュニア時代からこれまで、数多くの試合の経験があるからでしょうかね。
彼女はまだ19歳。これからが、ますます楽しくなってきました。
思いやりの心!?
畑岡選手が6バーディ、1ボギー、1ダブルボギーの68で回り、笹生選手とまさかの日本人対決となりました。
結局は3ホール目で、笹生選手がバーディーを奪って、2021年の全米女子オープンの勝者となりました。
実は1ホール目、畑岡奈紗選手がパットをした時に、少しショートしたんですが、笹生選手が『入れ!』という感じで、足を蹴り上げたんです。
この様子をのちの優勝インタビューで問われた笹生選手は、
「自己中心的になりたくないから。ここにいるのはみんな素晴らしい選手たち。彼女たちの時は、彼女たちの時だし、私の時は、私の時。みんなを応援したいの」
と笑顔を見せたんです。この彼女の相手を思いやれる気持ちはとても素晴らしいと思うんです。
本当は、どうしても自分が勝ちたいし、相手がミスしてくれたら助かるし、相手を応援するなんて気持ちにはなかなかなれないのではないでしょうかね?
笹生選手の父親も、
「優花は誰とも戦っていないんですよ。戦っているのは目の前のコースだけ。それをどう攻略するかということだけなんです」
と語っています。
戦いの相手は、人ではなく、コースなんですね。
わたしも見習いたいと思います。
2021年は当たり年!?
2021年4月に、『オーガスタナショナル女子アマチュアゴルフ選手権』で、17歳の梶谷翼選手が日本人としは初の優勝。
マスターズでは、松山英樹選手が、これまた日本人男子として初のメジャー制覇。
そして、今回の全米女子オープンでの畑岡選手とのプレーオフの末、笹生選手が優勝と、日本人の活躍が目立っています。
畑岡選手は、2018年7月のKPMG女子PGA選手権でも、プレーオフで敗れており、またしても悲願のメジャー制覇は叶いませんでした。しかし、いずれどこかで勝ってくれるでしょう。
ゴルフはやっぱり楽しい!
世界の舞台で、日本人が活躍する姿を見るのは、気持ちがいいものです。勇気をもらえます。
彼女たちはまだまだ若いですし、ますます羽ばたいてほしいものです。
一方、2021年5月の全米プロゴルフ選手権では、50歳のフィル・ミケルソン選手が優勝しました。そして、メジャー優勝最年長記録を更新しました。
実に、いくつになっても活躍できるゴルフは改めて素晴らしいと感じました。
わたしは競技ゴルフよりも、楽しむゴルフの方ですが、いくつになっても楽しめるのがゴルフですから、末長く愛していきたいですね。
まとめ
- 最後まで目が離せない
- 素晴らしい考え
- 世界で活躍する日本人
- 楽しいゴルフ
また、楽しみな若者が現れました。
いずれ世界で活躍するだろうとは思っていましたが、こんなに早く結果を出すとは思ってもいませんでした。
今となっては、序盤の連続ダボで早々に諦めてしまった、自分を反省しています。
そして笹生選手へ、もうダメだと思ってしまって「ごめんなさい」。メジャー最終日最終組のプレッシャーだなんて、勝手に思ってしまって「ごめんなさい」。
素晴らしい活躍でした。また、プレーオフで敗れたとはいえ、畑岡選手も見事なプレーでした。メジャーで、それもプレーオフで2度破れるのは、本当に悔しいことだと思います。
それにもかかわらず、涙を見せず、笑顔でインタビューに答えていた姿が印象的でした。
あとで思いっきり泣いて、この悔しさを今後の活躍に活かしてほしいと思います。
ちなみに、笹生選手は、父は日本人、母はフィリピン人で、日本とフィリピンの両国の国籍を持っています。
では、ありがとうございました。